LAB-BOX 135の使い方 その1 本体組み立て

LAB-BOXは、暗室がなくても明るい場所でモノクロネガフィルムが現像できるツール。いわゆる暗箱や大掛かりな暗室なしでフィルムをタンクに巻き取ることができる。 もっとも一般的な薬剤3液(現像液・停止液・定着液)を使う現像もできるし、LAB-BOXと同時開発されたMONO BATH現像液を使用すれば薬剤は1液で済む。いつでもどこでも好きなところで、好きな時に気軽に現像ができる。新時代のアイテムLAB-BOXの新しさはそこにある。 ここではLAB-BOX 135の使い方について解説していく。135は135mmフィルム(35ミリフィルム)専用モジュールだ。 LAB-BOXで35ミリのモノクロネガフィルムを現像しよう 組み立てはLとRの確認から! フィルムを巻き取っていくためのリールのパーツを組み立てる。黒くて見えづらいが、よくよく見るとそれぞれのパーツに「L」つまりLEFT=左側の文字がある。「L」と「L」を確認しておく。 反対側も「R」つまりRIGHT=右側の文字がある。それぞれに「R」と「R」の文字があるのを確認しておこう。 L側やR側が間違いなく揃ったら、大きいパーツを手に取り、羽根がついていないほうの内側をよく見てみよう。こちらもわかりづらいが「→」が描かれている。 また、軸のパーツの端もよく見てもらうと「←」がある。この「→」と「←」の位置を合わせて、軸を奥まで挿し込む。 しっかり挿したら、反対側のパーツも同様に「→」と「←」を探して位置を合わせて挿し込もう。 挿し込んだら両側を持って、少しひねるように回す。 黒いのでわかりづらいが、切り欠きの位置を目安に両側を揃えておく。左右対称になる。 フィルムリールとモジュール135を合体させよう フィルムリールを中に入れよう LAB-BOX本体を置く。あとでタンクノブ(大きなダイヤル)を挿し込むための大きな穴があるほうがR(右側)。先ほど組み立てたリールのR側が穴のほうになるよう、リールを入れる。 R(右側)からタンクノブを、穴の一番上の溝と出っ張りが合うように挿し込み、少し回して留める。もし現像中にうっかり外れてしまうと薬剤もこぼれ現像も失敗するので、要確認! 本体とモジュール135を合体させよう。連結部分の突起が4箇所あり、本体側が凸、モジュール135側が凹になっている。 4箇所を差し込むと、モジュール135のほうが少しずれ上がった状態になる。それを上から押して、両側が同じ高さになるよう合体させる。 このように隙間がほとんどなく、モジュール135と本体が同じ高さになっていればOK。 なお、取り外すには底側のくぼみにある、留め具となっているパーツを押す。2つ前の写真も参照してほしい。 フィルムをタンクに巻き取ろう フィルムピッカーで先端を取り出そう 市販のフィルムピッカーを使ってフィルムパトローネからベロ(フィルムの先端)を取り出す。 切り口がまっすぐになるように、フィルム先端の細い部分をハサミで切り落とす。 フィルムガイドを溝にセット 組み立てたフィルムガイドの棒の端を図の位置の溝に通し、橋を渡すようにする。フィルムガイドはLAB-BOX購入当初はパーツに分かれているが、マニュアル通りに棒へ通して組み立てる。小さい輪は棒の両端に付ける。 フィルムを金属棒の下へくぐらせる フィルム先端を少し引き出して、細い金属棒2本の下の隙間をくぐらせ、パトローネを空間に収める。金属棒の真下にはちょうどフィルムカッターの刃の出てくる細い隙間があるため、通す際に隙間にフィルムが引っかかったり折れ込んだりしやすい。そっと真横へくぐらせよう。 リールの真ん中から出ているクリップでフィルム先端を挟み、フィルムの中央で留める。左右どちらかに偏ってしまわないように。 これは極端な例だが、こんな風にどちらかに偏って留めてしまうとフィルムがうまく巻き取れないので気をつけよう。

LOMO LC-A その2 撮影準備

LOMO LC-Aの各部名称と主要な機能 よく使うのは距離計レバー 実際の撮影にあたり、必要な機能を見ていこう。おそらくシャッターボタンと距離計レバーを一番よく使うことになるだろう。 絞り設定レバーは基本的にはずっとA(AUTO:自動設定)にしておく。 レンズカバースイッチには3つ機能がある レンズカバースイッチは下面にあり、スライドして開閉を切り替える。開けていないとシャッターボタンが押せないという、安全装置としての機能もある。また、ファインダーのカバー(いわゆるロモ蔵の描かれているところ)もレンズカバーに連動して開閉する。 LOMO LC-Aの電池入れ替え ボタン電池LR44を3個入れる 底の電池蓋を、蓋に描かれている◁の方向に押しながらずらすと開く。LR44が3個必要。透明セロファンのようなテープを引き上げると電池が上がって取り出せる。電池を入れる時もこの透明テープを下に敷いて上に電池を入れる。 うっかり電池切れに要注意!! 電池が切れていると内部のシャッター機構は動かず撮影できない。ところが、電池が切れていてもシャッターボタンを押した時にはいかにもシャッター機構が動いているかのような「カチッ」という音だけはする。このため電池切れに気づかないまま撮影を続け、いざ現像してみると何も撮れていなかったという事故が時々起こる。 撮影時に光るファインダー内の赤いLEDは、電池が切れていると点灯しなくなる。しばらく使っていなかった後などはレンズカバーを開けてシャッターを軽く半押しして、必ず点灯を確認しよう。もしLEDが点かなかったら電池交換すること。 LOMO LC-Aで撮影しよう フィルム巻き上げ→ファインダーで構図決め→シャッターボタン 基本の撮影手順を見ていこう。フィルム巻き上げダイヤルを、止まるところまで回す。レンズカバーを開ける。ファインダーを覗いて撮影したい構図を決める。 ファインダーの中には白い枠線が引かれているので、その中に収まるように被写体を入れること。構図が決まったら、足元を安定させ、両脇を締め、ブレないようカメラをがっちりと固定してシャッターボタンを押し込む。 基本はこれだけだが、距離計レバーの設定の必要がある。下の項を参照。 ファインダー内の赤LEDランプは1OK、2警告 赤いLEDランプ1個(左のみ)が点灯するときは撮影OKの意。2個とも点くときは、暗いので自動でシャッタースピードが30分の1以下になり、手ブレしやすくなるので特にしっかりホールドせよという注意喚起だ。詳しくは下の絞りの項へ。 LC-Aの距離計レバーの使い方 シャッターを押す前に被写体までの距離を設定しよう 撮影したいものが、0.8m、1.5m、3m、無限遠いずれの距離にあるかを目視で決めて、自分で距離計レバーを切り替える。 次々に写真を撮っている時は切り替えを忘れてしまうことがある。毎回シャッターを押す前には距離計に気をつけるようにしよう。 なお0.8mに設定した時は、その距離よりも被写体についつい近づきすぎてピンボケになりがちだ。自分の片腕を伸ばした長さを一度メジャーで測って、距離感覚をつかんでおくと良い。 絞り設定レバーの使い方 基本的にA(自動)でOK 絞り設定レバーはA、つまりAUTOの位置にしておけばLC-Aのセンサーが光量を検知して調整してくれる。気軽にスナップ写真を撮るのであればずっとAのままでかまわない。シャッタースピードは2秒から500分の1秒の間で自動的に変化する。薄暗い時や室内ではシャッタースピードが自動で遅くなるため手ブレに気をつけよう。(ファインダー内の赤いLEDランプの2個目が点くことで手ブレ警告される) なお、A以外の数値はストロボ装着時用になっている。 LC-Aの絞り設定値とストロボ 絞りの数値はストロボ使用時用 ストロボ撮影をする時は、絞りの値をレバーでF値2.8, 4, 5.6, 8, 11, 16の中から選ぶことができる。この時シャッタースピードは60分の1秒のみの固定となる。根本的にストロボ使用を想定した絞り値なので、ストロボを装着していなくても一応レバーを動かしてこれらの値に切り替えることはできるが、撮影上あまり実用的ではない。 薄暗い時、室内撮影、逆光その他、ストロボを使って被写体を明るくしたい時などは上部のホットシューにストロボを装着しよう。画像はLomography製のもの。 フィルムカウンターで撮影枚数を確認 24枚または36枚まで撮り切ろう 撮影を繰り返して、装填したフィルムの最大枚数までフィルムカウンターの数字が進んだら撮り終わりだ。24枚撮りまたは36枚撮り。 撮り切ると巻き上げダイヤルもこれ以上右に回らなくなる。無理に回そうとするとフィルムがちぎれたりパーフォレーションの穴が破損したりするので注意。 このあとはフィルムをパトローネ内に戻す、巻き戻し作業に入っていく。

LOMO LC-A その1 フィルムの入れ方

伝説になったロシア製スナップカメラ LOMO LC-A 1983年発売。レニングラード光学機器合同(LOMO)による、ロシア製の自動露出の35mm判コンパクトカメラ。後にアーティスティックな写りを見出されたことからロシア以外の国で大きな人気を得たことで有名。発売当時はソ連邦国内だけで年間150万台も販売されていた大衆機。2005年4月末、LOMOでのLC-A生産が終了。2006年からは多重露光等の機能を追加した「LOMO LC-A+」としてロモグラフィー社により、中国に場所を移して生産が再開された。 LC-Aは元は日本製カメラCOSINA CX-2のコピー品として作られたとされている。ただしカメラの外観は似ているが、レンズバリアーの開き方や内部の機構は異なる。 なお前面のLOMOのロゴが目立っているために、このカメラが「ロモ」と呼ばれてしまうことも多い。厳密にはLOMOは前述の通りレニングラード光学機器の略称を表すメーカー名であり、LC-Aがカメラ名。ただしロモの通称も広く使われているため、ロモと言うとこのLC-Aというカメラを指すことがほとんどになる。 カメラとしては軽量で持ち歩きやすく、絞りオートの使いやすいコンパクトカメラ。独特の色味と大きい周辺光量落ち(ケラレ)による絵画的な写りはカメラアーティストに好まれ、今も人気のあるフィルムカメラのひとつ。ISOセッティングは50,100,200,400。上部にホットシューがありストロボも使用可能。 LOMO LC-Aのフィルムの入れ方 まずはフィルムの持ち方 フィルムを扱う際は、金属製パトローネ本体を持つように。 フィルム先端をつかんでぶら下げないこと。巻いてある中身が飛び出してしまう。 LOMO LC-Aのフィルム装填に使う各部名称 LOMO LC-Aの裏蓋の開け方 裏蓋のロックを外そう 巻き戻しクランクの金属パーツを爪先などで引き上げて立て、そのクランクを指で持って垂直に上へ引き上げる。裏蓋を留めていたロックが外れ、裏蓋が大きく開く。 フィルムパトローネを上下逆さまにして、左の空間に塡め込む。巻き戻しクランクを下に押し込んで、フィルムパトローネを固定する。巻き戻しクランク根元の溝とフィルム底の溝が合っていれば簡単に押し込める。合っていないときは巻き戻しクランクを少し回してずらす。巻き戻しクランクの金属パーツは倒して、はじめの状態に戻す。 これで失敗なし! フィルム装填 3つのポイント ポイント【1】:先端は外れやすいので注意! フィルム巻き取り用のスプールには縦長の隙間があり、中に白い軸があるのが見える。縁にパーフォレーション(フィルム端に並んでいる穴)を引っ掛けるための小さな突起もある。この隙間まで、フィルムのベロ(フィルム先端)を伸ばしてきて差し込み、突起にパーフォレーションを引っ掛けてかませる。 LC-Aのフィルムのベロ差し込みはとにかく外れやすい。必ず毎回よく見て確認すること。一見大丈夫そうでも、大丈夫だろうとは思わないでほしい。 フィルム先端は写真のように、隙間の左寄りに挿さる位置取りになる。中心の白い軸が見える。 ポイント【2】:ギア歯とフィルムの噛み合い確認! スプールの左側にあるフィルム送りギアは要注意。一見地味なのだが、ここがかみ合っていないと100%事故が起こる。LC-Aは撮り終えてフィルムを現像してみたら全く写っていなかったという事故が起こりがちだが、その原因の多くはここのせい。 フィルム送りギアの歯とパーフォレーション(フィルムの穴)がかみ合ってフィルムが右へ送られているかを必ずよくチェックすること。フィルムが上にかぶさっているだけだときちんとスプールへ送られない。 コツとしてはギア歯のあたりのフィルム面を軽く指で押さえておくと、ギア歯から外れにくい。その間にフィルム巻き上げダイヤルを回そう。続きは下へ。 フィルム送りギアのあたりのフィルム面を指で押さえたまま、フィルム巻き上げダイヤルを右へ回していこう。 巻き上げダイヤルが止まるところまで回したら、一度シャッターボタンをカチリと押す。(シャッターボタンが押し込めないという時は前面のレンズカバーが閉まっているので、カバーを開けてから押す) この回している最中や、回し終えたあと、フィルムがスプールにきちんと巻き取られているか確認しよう。もしもフィルム先端が外れてしまったら、かませるところからやり直し。 一見大丈夫そうでも外れることがあるので本当によく見て確認してほしい。 OKなら裏蓋を閉める。パチンと奥まで閉め、ロックがかかったか確認。半閉じ注意。 ポイント【3】:フィルムのたわみを取っておく! フィルム巻き上げクランクを優しくゆっくり右回しすると、どこかで軽くカッと手応えがあってフィルムのたわみが取れたのがわかるはず。 もしもうっかり回しすぎて、引っ張りすぎてフィルムのベロが外れてしまったくらいの大きい手応えがあったら、一度裏蓋を開けてベロをスプールに入れるところからやり直す。 最後にカウンターとISO値を合わせよう フィルムカウンター設定 巻き上げダイヤルで止まるまでフィルムを巻き上げてはシャッターボタンを押すのを2~3回繰り返すと、上面のフィルムカウンターが少しずつ動いて数字の[1]に近づいていく。黄色い三角形▽の先端と[1]が並んだら撮影準備完了になる。カウンターは加算式。 この巻き上げとシャッターを繰り返す間、巻き上げダイヤルと巻き戻しクランクの2つが連動するかどうかを必ず確認しておこう。その後、撮影中も時々連動についてチェックしておくと失敗がない。 ASA(ISO)感度を入力 装填したフィルムのISO数値と同じになるよう、カメラ前面右上のASAS数値設定ギアを回す。回すたびに小さい数値表示窓の数値が25→50→100→200→400→25…というように回転して変わる。基本のフィルム装填作業はこれで終わり。その2 撮影準備編へ続く。 http://camera.saisyokukenbi.com/?p=392