LOMO LC-A その1 フィルムの入れ方
伝説になったロシア製スナップカメラ
LOMO LC-A 1983年発売。レニングラード光学機器合同(LOMO)による、ロシア製の自動露出の35mm判コンパクトカメラ。後にアーティスティックな写りを見出されたことからロシア以外の国で大きな人気を得たことで有名。発売当時はソ連邦国内だけで年間150万台も販売されていた大衆機。2005年4月末、LOMOでのLC-A生産が終了。2006年からは多重露光等の機能を追加した「LOMO LC-A+」としてロモグラフィー社により、中国に場所を移して生産が再開された。
LC-Aは元は日本製カメラCOSINA CX-2のコピー品として作られたとされている。ただしカメラの外観は似ているが、レンズバリアーの開き方や内部の機構は異なる。
なお前面のLOMOのロゴが目立っているために、このカメラが「ロモ」と呼ばれてしまうことも多い。厳密にはLOMOは前述の通りレニングラード光学機器の略称を表すメーカー名であり、LC-Aがカメラ名。ただしロモの通称も広く使われているため、ロモと言うとこのLC-Aというカメラを指すことがほとんどになる。
カメラとしては軽量で持ち歩きやすく、絞りオートの使いやすいコンパクトカメラ。独特の色味と大きい周辺光量落ち(ケラレ)による絵画的な写りはカメラアーティストに好まれ、今も人気のあるフィルムカメラのひとつ。ISOセッティングは50,100,200,400。上部にホットシューがありストロボも使用可能。
LOMO LC-Aのフィルムの入れ方
まずはフィルムの持ち方
フィルムを扱う際は、金属製パトローネ本体を持つように。
フィルム先端をつかんでぶら下げないこと。巻いてある中身が飛び出してしまう。
LOMO LC-Aのフィルム装填に使う各部名称
LOMO LC-Aの裏蓋の開け方
裏蓋のロックを外そう
巻き戻しクランクの金属パーツを爪先などで引き上げて立て、そのクランクを指で持って垂直に上へ引き上げる。裏蓋を留めていたロックが外れ、裏蓋が大きく開く。
フィルムパトローネを上下逆さまにして、左の空間に塡め込む。巻き戻しクランクを下に押し込んで、フィルムパトローネを固定する。巻き戻しクランク根元の溝とフィルム底の溝が合っていれば簡単に押し込める。合っていないときは巻き戻しクランクを少し回してずらす。巻き戻しクランクの金属パーツは倒して、はじめの状態に戻す。
これで失敗なし! フィルム装填 3つのポイント
ポイント【1】:先端は外れやすいので注意!
フィルム巻き取り用のスプールには縦長の隙間があり、中に白い軸があるのが見える。縁にパーフォレーション(フィルム端に並んでいる穴)を引っ掛けるための小さな突起もある。この隙間まで、フィルムのベロ(フィルム先端)を伸ばしてきて差し込み、突起にパーフォレーションを引っ掛けてかませる。
LC-Aのフィルムのベロ差し込みはとにかく外れやすい。必ず毎回よく見て確認すること。一見大丈夫そうでも、大丈夫だろうとは思わないでほしい。
フィルム先端は写真のように、隙間の左寄りに挿さる位置取りになる。中心の白い軸が見える。
ポイント【2】:ギア歯とフィルムの噛み合い確認!
スプールの左側にあるフィルム送りギアは要注意。一見地味なのだが、ここがかみ合っていないと100%事故が起こる。LC-Aは撮り終えてフィルムを現像してみたら全く写っていなかったという事故が起こりがちだが、その原因の多くはここのせい。
フィルム送りギアの歯とパーフォレーション(フィルムの穴)がかみ合ってフィルムが右へ送られているかを必ずよくチェックすること。フィルムが上にかぶさっているだけだときちんとスプールへ送られない。
コツとしてはギア歯のあたりのフィルム面を軽く指で押さえておくと、ギア歯から外れにくい。その間にフィルム巻き上げダイヤルを回そう。続きは下へ。
フィルム送りギアのあたりのフィルム面を指で押さえたまま、フィルム巻き上げダイヤルを右へ回していこう。
巻き上げダイヤルが止まるところまで回したら、一度シャッターボタンをカチリと押す。(シャッターボタンが押し込めないという時は前面のレンズカバーが閉まっているので、カバーを開けてから押す)
この回している最中や、回し終えたあと、フィルムがスプールにきちんと巻き取られているか確認しよう。もしもフィルム先端が外れてしまったら、かませるところからやり直し。
一見大丈夫そうでも外れることがあるので本当によく見て確認してほしい。
OKなら裏蓋を閉める。パチンと奥まで閉め、ロックがかかったか確認。半閉じ注意。
ポイント【3】:フィルムのたわみを取っておく!
フィルム巻き上げクランクを優しくゆっくり右回しすると、どこかで軽くカッと手応えがあってフィルムのたわみが取れたのがわかるはず。
もしもうっかり回しすぎて、引っ張りすぎてフィルムのベロが外れてしまったくらいの大きい手応えがあったら、一度裏蓋を開けてベロをスプールに入れるところからやり直す。
最後にカウンターとISO値を合わせよう
フィルムカウンター設定
巻き上げダイヤルで止まるまでフィルムを巻き上げてはシャッターボタンを押すのを2~3回繰り返すと、上面のフィルムカウンターが少しずつ動いて数字の[1]に近づいていく。黄色い三角形▽の先端と[1]が並んだら撮影準備完了になる。カウンターは加算式。
この巻き上げとシャッターを繰り返す間、巻き上げダイヤルと巻き戻しクランクの2つが連動するかどうかを必ず確認しておこう。その後、撮影中も時々連動についてチェックしておくと失敗がない。
ASA(ISO)感度を入力
装填したフィルムのISO数値と同じになるよう、カメラ前面右上のASAS数値設定ギアを回す。回すたびに小さい数値表示窓の数値が25→50→100→200→400→25…というように回転して変わる。基本のフィルム装填作業はこれで終わり。その2 撮影準備編へ続く。